会長の交代にあたりご挨拶

会 長 野 村 秀 男

令和3年1月吉日

 

令和3年1月1日付、東裕一前会長から後継会長に指名されました、第20期航空学生の野村秀男です。

高知県出身、昭和43(1968)年3月に入隊し、固定翼哨戒機の操縦士として勤務、平成17(2005)年4月に海上自衛隊を定年退職しました。

平成22(2010)年5月の航翔会の設立時から本部役員の一員として、その運営に携わって参りましたが、10年の節目を越え、次の10年に向けての更なる発展の第一歩に、会長として就任させていただいたことに、身の引き締まる思いであります。

さて、この航翔会は、航空学生課程に入隊時に出来た同期生の横の繋がりである同期会を、先輩期と後輩期を縦に繋げた連合組織です。つまり、海上自衛隊現役会員とか、退職したOB会員という区別のない、各クラスの同期会の集合体であり、「航空学生」の横と縦の絆を紡いでいるものです。

そして、海上航空を支える航空学生として、先達が後進を見守り助け、後進が先達を見て自らの進む道を見出し、誇りをもって任務に邁進していくといった機能が期待されています。大空を目指し同じ巣から育った仲間としての絆を深めると共に、航空学生の発展と活躍に寄与し得る組織として、充実を図っていきたいと思っております。

昨年は、航翔会発足10周年を記念して「海の若鷲の軌跡 -海上自衛隊航空学生の歴史-」を発刊いたしました。

海上自衛隊OBとなられた会員の皆様には、現役時代の半生を思い起こし、当時培った航学魂を思い出すと共に、これからの人生の拠り所にしていただければ幸いです。

現役自衛官の会員の皆様には、温故知新、航空部隊の歴史と共に当時の先輩達の活躍に思いを馳せ、航空学生としての自らのルーツからアイデンティティを確立していただき、誇りをもって新しい伝統を築き上げていただければと思っております。

航翔会は10年を経て、色々な事業も定着してきたとはいえ、会員の皆様にはまだまだ会に関するご理解が十分とはいえない状況にあると感じております。

会の目的である、「会員相互の親睦、海上自衛隊航空学生の育成・発展に寄与すること」を推進するだけでなく、会そのものの周知を図ることにも努力したいと思っております。

しかしながら、終息する気配のない新型コロナウイルスに対しては、従前のような活動が望めないような状況となっています。ワクチン投与の実現化が進む中、変異ウイルスの発現等、暫くは先の見えない状況が続きそうであり、今年度はその中で何が出来るかを考えなければならない一年になりそうです。

こうした中、今年度の事業は以下の通りといたしたいと思います。

  1. 同巣会(従来の総会)

例年3月に実施しており、昨年度の館山地区での開催が、新型コロナウイルスの感染防止の観点から順延となっておりましたが、未だその  脅威の解消が見込めないことから、時期及び場所共に再検討ということで延期といたします。

2.NCD(Nest Coming Day)

例年4月の航空学生入隊式に、入隊50周年を迎えたクラスが古巣に帰って参加するという行事ですが、新型コロナウイルス感染防止の観 点から、該当クラスが参加を辞退されたこと及び入隊式の規模自体が昨年同様縮小されたことにより、中止といたします。

3.会誌の発刊

例年8月に発刊しておりましたが、航翔会の事業年度が暦年と同様でありながら、年度ごとの事業実績及び計画を報告する同巣会の開催時期が不確かな状況となっていること、そして新入会員及び家族に入隊時に届けるようにすれば、「航空学生」というものの理解の一助となるのではないかとの考えから、年度明けの1月に発刊することといたします。

4.ホームページのリニューアル

構成等のマイナーチェンジを行い、情報発信の活用を図ります。

5.パンフレットの作成

航翔会創立10周年記念事業の一環として、航翔会と航空学生の説明資料としてのパンフレットの作成配布を行い、航翔会の周知を図ります。

6.会則の改正

10年間の実績を踏まえ、役員の構成及び名称の変更等一部を改正し、令和3年1月1日付で制定いたしました。

 

まさに、10周年の節目に、新型コロナウイルスという前代未聞の国難に直面することになり、色々な面において新たな対応が求められることとなりました。

従来との変化も必要となることでしょうが、皆様のご助力を賜りながら乗り越えてまいりたいと思っておりますので、引き続きのご協力を宜しくお願い申しあげます。

新型コロナウイルスの一日も早い終息と、会員の皆様の益々のご健勝ご発展をお祈り申し上げます。